あけましておめでとうございます。
大学院も卒業して時間ができたので、昨年末にブログを再開していこうと思ったのですが、社会人生活は書くことも特にないです。ということで昨年行った就活について書こうと思います。
初めに私の立場と就活の方針を書きます。就活開始しようと思ったのが2月くらいで、当時はF1ビザでアメリカの大学院学生でした。当時は卒業のタイミングは2023年6月~夏頃とざっくり決めていました。卒業のタイミングがざっくりなのは、私の博士論文の5人の審査官(コミッティー)が集まれるタイミングを探っていたところだったのと、卒業後に残務がどのくらいなのかわからなかったからです。就職する国としては、住んでいるアメリカかもしくはヨーロッパを考えていました(というかアジア以外はここくらいしかない)。
応募する会社としては、バッテリー製造会社もしくは化学系材料系の会社、大手やスタートアップは問わず。自動車会社は以前勤めていたので、まあ、もういいかなと思ってました。
就労資格、ビザなどについて
日本人が海外で働くには就労資格やビザがいります。就労ビザや資格を得る難しさは国ごとに違い、また職種によっても違います。単純に言えば、海外で就職するには、そのビザの取得のハードル上回るメリットを示さないといけません。
アメリカの場合は、アメリカの大学・大学院を卒業するとOPT (Optional Practical Training)という資格がもらえます(ビザはF1のまま)。これは、大学で学んだことに関して、仕事を通してさらに1年間トレーニングできるという制度です。実習みたいな響きに聞こえますが、合法的に就労ができます。またSTEM(理系)の学生はさらに2年間その資格を延長できます。そしてこれは抽選ではないので、応募すれば確実にゲットできます。つまり、先ほど言ったビザ取得のハードルを下げることができるので、卒業後のアメリカ国内の就職は、海外から応募してくる人(ビザ取得にスポンサーや金のサポートが必要)に比べて優位な立場となります。ヨーロッパも国ごとに外国人就労の資格などはありますが、アメリカほど厳しくないと予想したこと、さらに自分の専攻(バッテリー材料)がヨーロッパでもそこまで競争的ではない(需要>供給)ことから、イケると感じてました。本当に必要なら就労資格くらいサポートしてくれるだろ、みたいな。ヨーロッパに関しては、就労資格取得の時間が数か月かかることの方が問題であり、仕事開始のタイミングと卒業のタイミングを調整するのに、早めに動けばいいかなとおもってました。
就活を始めるタイミング
基本的に逆算で考えてました。最速で6月に働き始めると考え、ヨーロッパでの就労許可が3か月かかるとすると、3月にはオファーをもらう必要がある。オファーをもらうには数回の面接があるので、それを1か月とみて、2月くらいから始めた次第です。ただ、最初は情報収集などをしたり、博士の最終審査が7月末になったので、結局後ろの方にシフトしていきました。あと、基本的に企業は欠員や人員が出た時に求人をかけるので、オファーを出したらすぐ働き始めてもらいたいと考えています。なので、もっとタイミング的には卒業間近でもいいのかもしれません。ただ、そうなると博士論文執筆のタイミングと被るのでしんどいです。卒業後に就活をしてもいいですが、F1ビザの学生の場合、プログラムを終えてから60日しか滞在することができないので、締め切りがある中で就活をするのはメンタル的にしんどいと思います。在学中であれば、卒業発表のタイミングをずらすだけでいいので、そのほうが余裕があります(教授が給料を出してくれれば)。
応募の準備 CVとカバーレター
タイミングを決めたらまずはCVを準備します。CVは履歴書みたいなもんです。履歴書に相当するものはCVとレジュメで、長さとかフォーマットが違うみたいです。気になるひとは調べてみてください。CVは基本的に一度作ってしまえば使いまわしができるし、学会やSNSで会社の人に会った時にポンと渡せるので、必ず作りましょう。CVの作り方については、日本語英語ともにネットにいろいろありますが、最低限英語の記事を参考にしたほうがいいかな、と思います(特に理由はないけど確率的にいいかな)。あとはどこの大学でもいいので、大学のキャリアセンターは必ずCVの書き方を公開しているので参考にするといいでしょう。自分の専攻に近いものが見つかると、アピールポイントやどこまで細かく書くべきかなどより参考になると思います。例えばITやコンピュータサイエンス系はプログラミング言語まで書くべきかとか、実験系の研究室だと使える装置名まで書くかとか、かな。
基本的にCVだけでもいいですが、カバーレターを求められる場合もあります。これは応募するにあたって、その会社に挨拶文みたいなのを1ページ程度で書くものです。大企業で、応募が殺到するところは採用者もいちいち見てないので、公式に要らないといっているところもあります。
以下は私がヨーロッパの企業に書いたものです。応募ポジション名と、会社名、志望動機一文を変えて使いまわしました。
以下は私がヨーロッパの企業に書いたものです。応募ポジション名と、会社名、志望動機一文を変えて使いまわしました。
Taro Suzuki (自分の名前)10000 ABC Ave. San Diego, CA 00000, USA (住所)+1 111-111-1111(電話番号)xxx@yyy.com(メールアドレス)Linkedin: (Linkedinのリンク)
2nd March 2023XXX Energy (応募先、住所は架空)Stockholm,Sweden
Dear Hiring Team,I am submitting my curriculum vitae in consideration for Battery Material Scientist. Given my background in Nanoengineering and physics, I believe this position is a strong match for my skills and career interests. In XXX,(相手先会社名) I would like to contribute to the development of a future battery from materials level in order to accelerate electrification of vehicles, especially in Europe, which is the frontline of battery research and development.
While I am in Ph.D. courses at UCSD, I have tackled scientific problems by developing solid fabrication and characterization skills and working as a team member. My research interest is developing and characterizing thin film all solid state battery, which consists of LiNi0.5Mn1.5O4 (LNMO) as a cathode, lithium phosphorus oxynitride (LiPON) as a solid electrolyte, and Li metal as an anode. To make this project accomplished, I collaborated with various internal and external researchers including group colleagues (more than 20 students), a national lab scientist, and researchers from industries. Along with scientific aspects, I also contributed to the team through preparing project reports and research proposal transfer knowledges to master and junior students that I mentor.
Besides such research work, early in my Ph.D., I achieved the highest score in the comprehensive exam in the Department of Nanoengineering at UC San Diego in 2019. There are only a few students in our group who have completed this accomplishment, which demonstrates my broad range of interests and understanding of fundamental materials science.
As a proven team player, and problem-solver, I feel my skills and background make me an ideal candidate for the position of Battery Material Scientist. I would welcome the opportunity to interview for the position and hope to hear from you soon. Thank you for your time and consideration.
Sincerely,Taro Suzuki
(自分の署名)
大学にいる場合はキャリアセンターに行けば、CVとカバーレターを添削してもらえます。アメリカの大学のクソ高い学費を払っているので、このようなサービスは使いつくしましょう。
次は応募後のことについて書こうと思います。
では。