サンディエゴでの生活と研究の現状【コロナウイルス】

アメリカのホームセンターの前にできる列。なぜホームセンターに人が殺到するのか謎。



こんにちは。時間があるので、もっとブログを書こうと一か月くらい考えてやっと書き始めました。「恐ろしく遅い更新。俺でなきゃ見逃しちゃうね」って感じです

お題はそう、COVID-19いわゆるコロナです。

私はこちらの大学に所属する大学院生なので、もちろん日本からの帰国要請などなく、サンディエゴに居座っています。帰ることもできるけど、帰国の機内や空港での感染リスク、日本からアメリカに入れなくなるもしくは隔離されるリスクを考えると、とどまったほうがいいと思い、こっちにいます。しばらくは日本に帰れないのかもです。

さて、今日はこっちの様子をいろいろ書いていこうと思います。カリフォルニアは3月半ば頃からいわゆる「外出禁止令」が出ており、不要不急の外出は禁止になっています(罰金もあるらしいです)。とはいえ戒厳令のように厳しいものではなく、買い物や散歩などはOKなので、夕方にはアパート周辺でジョギングや犬の散歩をする人をよく見かけます。娯楽施設(カラオケとかビーチとか)は全部閉まってます。そんな程度です。



一応ですが、このブログではあまり数字など具体的なことは書かないので、気になる人はジョンズホプキンス大学のHPを見たほうがいいと思います。どっちかというと、いち学生が感じたことなどを書いていけたらと思います。(客観的な分析は研究だけで十分です…)


日常生活

買い物

基本的にスーパーは短縮営業ながら空いています。ただし

・Social Distanceの厳守
・スーパーへの入場制限
・レジの前に透明のプレート
・エコバッグ禁止&レジ袋無料
・マスク着用義務

などのルールがあります。最近はすいている時間にスーパーに行っているおかげか、入場制限にはあまり出会っていませんが、スーパーの前に並んでいると震災のときを思い出し、これが非常事態なんだなーと実感します。


外食

基本的にレストランは、すべてテイクアウトのみので、短縮営業をしているところもあります。後述しますが、いまは在宅勤務をしているので、自宅で食事を作らなければいけないです。しかし私は自分の料理が好きではないので、テイクアウトのみとはいえ外食できるのはありがたいです。普段は並ばなければ入れないサンディエゴの人気ラーメンを、待たずにゲットできるのがうれしいので、よくラーメンを食べています。あと、近くのサンドイッチ屋に運動がてら歩いていったりもしてます。


その他

大学のアパートの事務や清掃、設備修理なんかも普段通りやっています。直接の接触はもちろん避けていますが。あと、ビーチは行くことはできるけど、実質閉鎖です。


大学生活

授業

春学期が3月末からスタートしました。カリフォルニアの外出禁止令に伴い、今学期はUCSDのすべての授業はzoomをつかったオンライン授業になりました。日本ではいろいろ問題もあるみたいですが、こちらではそこまで問題があるというのは聞いていません。パソコンを持っていない人向けには貸し出しもしているみたいです。Nanoengineeringの大学院生向けの授業は、先生によりますが、ほぼすべてパワポベースの授業なので特に大きい影響はないです。さらに私が今学期履修している授業は計算化学なので、通常の講義系の授業以上にリモートワークと親和性が高く、問題ありません。オフィスアワーもオンラインでできるみたいです。


研究

正直これが一番問題です。私は実験系の研究室に所属しているので、実験ができないと何も成果が出ません。UCSDでは、外出禁止令がでた週にキャンパス内の建物は基本的にすべて閉鎖となりました。ただし、Essential workをする人は、研究室内の人数を減らしたうえで入室可能、とのことでした。Essential workってなんなのさ、ってことですが、プロジェクト終了間近や卒業間近でどうしてもやらなくちゃいけないとか、長期間にわたる実験で今止めるとやばいとか、バイオ系の実験室でマウスの世話をしなきゃいけないとからしいです。

私はいまPhD2年目なので、そこまで切羽詰まってないし、実験しなくていいや~。とは一瞬考えましたがそうはいきません。大学院生やポスドクは国(アメリカ)や企業のプロジェクトから出るお金から給料をもらっています。プロジェクトは3~4年スパンが多いですが、一度始まったら最後までもらえるわけではなく、定期的にレポート(成果)を出し続けなければいけません。年に何回かreview meetingがあり、そこで成果がないと最悪の場合プロジェクト打ち切りです。プロジェクト打ち切りは教授の経歴に傷がつくので、さすがにそこまでは教授がさせませんが。悪いことに、このような状況でも成果を国や企業に報告しなくてはいけないので(レポートの提出期限が固定されている)、自分の給料を守るためにも結局実験をしなければなりません。

ということで、大学院生としては、

コロナ感染(拡大)防止 VS 研究成果

の板挟みのプレッシャーでやっています。実際のところでいうと、実験室内に同時に2人のみ入室可能という条件付きで実験をすることができます。ただ、問題なのは自分の研究室以外の共同実験装置などが閉鎖していることが多いです。私の研究の場合、実験室内で電池のサンプルを作って、実際に電池を充放電させることはできますが、その後に、電池内の反応を調べることができません。私の研究のフェイズとしては、電池の充放電反応を調べるのは終わり、さあ次は電池内部の研究だ!と思っていたところで中断したので、本当にやることがなくなりました。今後ほかの研究室もぼちぼち開いてきて、使える装置が増えると期待しています。


感想

実験ができないけど、進めなくてはいけないのは想像以上にプレッシャーがかかります。それでも、計算をやったり、教科書や論文を読んだり、授業の課題やったりと、毎日朝から晩までやることが多いです。でも、精神的には退屈です。今まではキャンパス=仕事、家=休み、と決めていたのに、家で仕事をしているせいで、その境界もあいまいになり、正直生産性は高くないです。しかも娯楽がないので、家にいると強制的に働かなくてはいけない気分になります。

あと、盲点だったのが、想像以上に人と話しません。研究グループ内でのビデオミーティングはありますが、週数時間ですし、実験室に行ってもだれもいないことが多いので、本当に一日声を発しない日もあります。私はルームメイト(男)と大学のアパートに住んでいますが、個人的に彼のことがあまり好きではないので挨拶以外は話しません。

日本でも外出自粛などがありますが、独身の人は本当にきついんじゃないかと思います。少なくとも私はきついです。ニュースなどは子どもがいる家族の声が多く報道されるので(声が大きいので)、あまり独身者にスポットが当たることはないですが、実際にメンタルをやられる人は多いと思います。

会話って大事だね。オンライン飲み会を開いてくれる友人に感謝です。

はやく収束してほしいですが、おそらく年内はこの状況が続くのかと考えています。むしろ、「コロナだから…」と言い訳にして実験を放置すると、後で大変なことになるかもしれないので。。。



では。。。