前回更新からかなりの時間が経ってしまいました。
また、冬学期が終わってから時間が経ってしまいましたが、冬学期の授業をまとめようと思います。
総括としては冬学期は必修が3科目あり、トータルで宿題7つ、試験7つ、プレゼン2つ、レポート3つと課題地獄でした。特に2月あたまから毎週のように何かしらの提出物がもとめられて、波状攻撃で死にかけました。
各科目ごとにまとめます。
Nanoscale Characterization(必修)
材料科学やChemical Engineeringをやっている研究者には必須のCharacterizationを1講義に1つずつ解説。具体的には可視紫外分光から赤外分光、ラマン分光、X線回折などの基礎的な技術から、SEM(走査電子顕微鏡)+EDS、TEM(透過電子顕微鏡)+EELS、XPS、AFMなどのちょっと応用?てきな部分までカバーしていました。授業のなかでは、おおまかに原理の説明、ハードウェア、解析方法などを学び、今後の自分の研究にかなり近いので役に立ちます。成績評価は、宿題x3と中間、期末試験と期末レポートでした。期末レポートはNational User Facilityに応募するプロポーザルを書き(3枚程度)、それを学生間で評価しあうという感じでした。ちなみに学生間レビューで1位だった人は宿題の点数が満点になるという特典つき。全体的にみて、このクラスの宿題・課題は量質ともにヘビーでした。ただ、やることをやっていればちゃんと点数は取れるので、そんなに恐れることはないかと。インプット(宿題&中間&期末)以外にも学んだことのアウトプット(リサーチプロポーザル)が求められるのはトレーニングとしてはいいかな、と思います。ただしんどかったです。
Nanosystems Integration(必修)
一言でいうのがなかなか難しい授業。基本的にはナノ構造を持つ材料をいかにしてつくるのかを学ぶ。とくにBottom-upとTop-downの観点から、様々な手法を学んだ(気がする)。個人的には化学?生物?系の手法の化学反応とかBio conjugationとかは死にそうになるほどわからなかった。そんな感じでも中間試験前は全暗記して臨んだらなんとかなった。ただ、この授業の面白いところは、中間試験以降は研究に関するトピック以外の部分もカバーしているところ。例えば、推薦状の書き方やデータの統計的な処理の仕方など。学部時代に統計学は基本的な理論ばかりだったが、この授業では実際の材料系の実験データを処理するうえで必要なトピックをカバーしていたので、かなり実用的に感じました。成績は、宿題x4と中間試験、期末試験、プレゼンテーション+レポートで評価。宿題は普通の問題を解くのが2つと、課題の論文を読んで改善点やおかしい点をツッコむLiterature Critiqueが2つ。プレゼンテーションとレポートは、2~3人のグループで、授業で学んだこと(bottom-upやtop-downの手法)をもとに、新規の機能性材料とその評価方法を提案。これもreserach proposalのようなもので、「既存の研究(成果)の問題点」「それをすることのメリット」などを含むことが求められます。グループのメンバーが優秀な人だったので助かった。
Nanofabrication(必修)
ナノ構造をどうやって作るか、に焦点を当てた授業。内容的には上記のNanosystems Integrationと被るところもある。イメージとしては半導体の表面上のパターンをいかに小さくできるか、という感じ?(うまく説明できない)。今の半導体のパターンはphotoresistに光を当ててパターンを作っているのだけれども、ナノレベルの構造になると光の回折限界で、うまくパターンができないから別の手法を使ってどうにか工夫しようってことです。光の回折限界は、量子力学の最初に習うヤングのスリットの実験みたいなものだと思う。(光がスリットの空いているところ以外にも集まるやつ)。成績は、Quiz1, Quiz2、期末試験、プレゼンテーション+レポートで評価。試験はクォーターに3つ=毎月試験、という鬼の所業(範囲はその分狭いけど)。プレゼンテーションとレポートは、授業で習った手法を応用した新しい材料や手法の提案です。上の授業と似たようなものです。グループワークで2人一組でやりました。この授業はlithographyやprinting, AFMをつかったパターニングなど、数式で理論を説明していくというよりかは、事例の紹介みたいな感じで、そんなに重くなかったです。
冬学期は必修科目3つでほんとにきつかったです。きついと思ってこの学期はTAをしなかったのですが、正解でした。ただ、この学期で必修科目が終わったので気持ち的にはかなり楽になりました。ではこんなところで。